「単語がなかなか覚えられないんです」、というご相談を受けることは本当によくあります。

 

それに対するお答えで最近よく使う例なのですが、単語とその意味との関係は、人の名前と同じようなところがあります。

 

たとえば山田太郎さんという人物がいるとします。

 

山田さんと初めて出会って、その後まったく会う機会がなく5年後に再開したら、果たして顔を見て「山田さんだ!」と気づくでしょうか。

よほど記憶力がよくないと、覚えてはいないと思います。

 

めったに会わない人の名前を忘れる、それはちょうど、使う機会がない単語を忘れてしまうのと同じだと感じます。

 

会わなければ名前を忘れるように、単語も会う回数が少ないと覚えられないのです。

 

さらには、その山田さんと初対面で1時間会っていたか、3時間会っていたかで、5年後に覚えている確率は大きく変わるのでしょうか。

それも大差がないのではないかと私は思います。

 

そしてそれはつまり、単語を覚えようとするときに、「1回でどれだけ時間をかけてもさほど変わらないということではないか」と思うのです。

 

やっきになって覚えようと同じ単語を20分も30分もずっと見続けていても、やはり忘れるときは忘れるものなのです。

 

つまるところ、頻繁に会う人の名前は忘れないように、単語も接触回数を増やすことが最も大切なのです。

忘れる前に思い出す機会を作る、これがものを覚えるためには最も有効です。

 

ですから、単語を覚える際も、一日にかける時間を増やすよりも、覚えたものを何日後かに再確認する、そのスケジューリングをしっかりと決めた方がぐっと定着が早くなります。

 

大切なのは接触する時間よりも、接触する回数です。

 

同じ人と長い時間会っていると、その人のいろんな面を知ることができます。

単語も、同じ単語をずっと勉強しているとその単語のいろんな意味が見えてくるでしょう。

 

でも、どんなに深く知っても、忘れてしまっては意味がありませんからね。

まずはその人の顔と名前を確実に一致させられるよう、接触回数を増やすこと、単語もそれに尽きるのです。

 

 

しかしながら、不思議と、一度会っただけで忘れられない人だっていますよね。

単語もそうなれば、きっと覚えるのが楽になるはずです。

 

 

では、どんな人が一度会っただけで覚えてしまうような人でしょう。

 

 

まずひとつ、名前自体にインパクトがある人だと覚えやすいですね。

単語もそうで、最初は「覚えにくそう」と思っても、案外すんなり入ってくるものもあります。

 

たとえば、「通路」aisleは発音とスペルが一致しないので本来は難しそうですが、「変なところにsがある」というのがむしろ覚えるポイントになる感じがあります。

 

何かしら引っかかるポイントがある方が、忘れにくいのではないでしょうか。

 

(後編へ続く)